建築パース制作では、MAXScriptで開発したツールが非常に役立つ!

建築パース屋さんで、MAXScriptを使って仕事効率化のためのオリジナルツールをゴリゴリに書いて使いこなしている人は非常に少ないでしょう。

MAX Scriptを使うメリットは主に2つあります。

  • できる事が増える(表現力向上)
  • 作業スピードが早くなる(生産性向上)

MAXScriptは映像関係で使われる事が多いのですが、建築パースを作る上でもMAXScriptが使えるのと使えないのとでは表現方法と作業量に大きな差が出ます。MAXScriptが建築パースでどんな役にたつのか、実際の事例を元に紹介します。

MAX Scriptは、特殊なスキル

僕は今の会社の面接でMAXScriptを扱える事を強くアピールしました。建築パースだけでなく、動画やWEBやAR・VR開発などスキルの広さをアピールしたかったのですが、MAX Scriptの説明で特に驚かれたのを覚えています。

クリエイター全体で見ればMAXScriptを扱える人はそこそこ居ますが、建築・プロダクト業界に限ると激減します。この業界で10年ほど仕事をしてきましたが、MAXScriptでゴリゴリとツール開発ができる人と出会った事は一度もありません…。全く居ないとは言えませんが、非常に少ないはずです。面接で上手くアピールできれば、特殊スキルを持ったクリエイターとして有利になるでしょう。

建築パースで、MAXScriptを使って何ができるか?

僕はこれまでに作成した独自機能をライブラリ化し、パース制作用ツールセットにして使用しています。同業者に知られたくない機能もあるので、どんな機能を持っているか全ては言えませんが、これ無しでパース作るのはもはや考えられないほど役にたっています。

データ移行作業で、2〜3ヶ月の工数予測を2日に短縮

7年ほど前になりますが、実際の仕事でMAXScriptの威力を最も発揮したのが、住宅設備のデータベース移行作業です。外部参照ファイルが複雑に入れ子となった7000点のMAXファイルデータベースがあり、これを新しいボリュームに移行する作業だったのですが、手作業だと最低でも2〜3ヶ月掛かってしまう作業量でした。1日で専用ツールを開発し、2日目に一括処理を掛けて完了させる事ができました。チェック機能を入れていたので、テクスチャのリンク切れなど潜在的なリスクも発見する事ができました。

シーン内の家具インスタンスを置き換えるツール

3dsMAX標準機能でも配置した家具を差し替える方法は色々ありますが、このツールはシーンに配置されている家具グループのインスタンスを新しい家具グループインスタンスに置き換えます。さらに置き換えた後で、位置・回転・スケールを一括調整できるというものです。

商業施設やオフィス関係の建築パースでは、途中で家具が変更になり、置き換える事がよくあります。サイズが異なる椅子を入れ替える事もあるため、置き換えた椅子を机側に寄せたり離したりといった事が自由にできて便利です。

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モデル素材の読込みツール

うちの会社では建築パースでよく使われるEvermotionのモデル素材を社内サーバーに置いているのですが、このツールはサーバーにあるモデル素材のサムネイル一覧を表示し、そこから選択したモデル素材をテクスチャーごとシーンに読み込む機能を持っています。フォルダから選択してモデルを合成して、テクスチャをコピーして、パスを通して…という工程をわずか1クリックで完了させるので作業効率が上がります。

インテリアのアニメーション作成ツール

通常のパース作成後、このスクリプトを実行すると、躯体モデルに対してインテリアが配置されていくアニメーションを自動作成できます。言葉で説明するのは難しいので…後日動画をアップします。空間の規模によりますが、手作業でこのアニメーションを作成する事は不可能なので、MAXScriptによって表現力広がった事例のひとつです。

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VRay、SketchUp、Unity、UE4のマテリアルコンバーター

VRayには、Mentalray用マテリアルをVRayマテリアルに変換するシーンコンバーターがついています。これはChaos社公式の機能ですが、建築パースのように用途を絞った場合はオリジナルの変換パターンを使用してコンバーターを自作した方が品質が高くなります。たとえば、SketchUpからインポートしたデータをVRayに置き換える場合、VRayのシーンコンバーターを使うと反射・屈折設定が十分でないマテリアルに変換されてしまいますが、変換パターンを独自に開発すればSketchUpのマテリアルを非常に高品質なVRayマテリアルに変える事が可能です。

反対に、VRayで作成したシーンをUnityやUE4用に標準マテリアルに変換する事もできます。これらコンバーターのマテリアル変換品質は、クリエイターのVRayマテリアル作成スキルと、その変換ロジックを考えるスキルに依存する事になります。

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まとめ

ここに書いたツールはほんの一部で、パース制作に役立つ機能はまだたくさんあります。ツール自慢の様になってしまいましたが…、この記事を読んで少しでもMAXScriptに興味を持っていただければ嬉しいです。このブログでは、少しずつMAXScriptによるツール開発について具体的な方法を書いていきます。

僕は元々がデザイナーで、プログラミングはかなり後から勉強しはじめました。最初はHTMLから始まり、CSS、Flash、MAXScript、Javascript、PHP、Python、Swiftとプログラミングの興味を広げていきました。全くの初心者が習得するのには時間が掛かるかもしれませんが、FlashのASやJavaScriptなどのデザイナー向け言語を扱った事がある方は習得しやすいと思います。