3dsMAXでリニアワークフローを構築する

プロダクトCGや、建築パースなど、デザインビジュアライゼーションの仕事をされている方の多くが、一度はこの「リニアワークフロー」という言葉を聞いたことがあると思います。

このリニアワークフローは、必ずしも必要とは言えません。闇雲に導入すると、混乱を招く事があります。この記事ではなるべく短い文章で簡潔に説明しますが、もっと詳しく知りたい方はパーチの長尾さんやfieldjamの村田さんがコラムで紹介されているのでそちらを読んでみてください。

http://cgworld.jp/regular/cms013.html

カラーマネジメントとリニアワークフローの違い

http://area.autodesk.jp/column/tutorial/designviz_essence/1_about_linearworkflow_1/

リニアワークフローについて

リニアワークとは?

簡単に言うと、リソースごとにバラバラとなっているガンマ値を一度リニアに補正してから計算する事です。3dsMAXで作業してPhotoshopでレタッチするだけの作品では、成果物さえ良ければその過程がリニアである必要は無いのですが、リニアで作業すると色や光の単位を正しく使用できるというメリットがあります。また、異なる作業環境が混在している組織で共同作業をする場合、カラーマネジメントのためのリニアワークフローを構築します。

ガンマ補正とは?

モニタなどの出力デバイスにはガンマ特性というものがあり、画像の元データをそのままの正しい明るさで表示する事ができません。Photoshopのトーンカーブをイメージしてもらうと分かりやすいのですが、最も明るい部分と最も暗い部分を線で結んだ時に、直線(リニア)にならず中間の色が暗い曲線になってしまいます。そこで、モニタに表示される画像はそのズレを補正するためのガンマ補正が常に掛かっています。この補正値としてよく耳にするのが「ガンマ2.2」です。

補正と言うと混乱しがちですが、注意したいのが画像自体にガンマ2.2の補正値が記録されている訳ではないという事です。このあたり深掘りすると混乱するので…、ガンマ2.2のモニタで作成すれば、その画像はガンマ2.2の画像だ!と覚えておくのが良いと思います。今モニタで見ている画像は全てガンマ2.2の画像です。

なぜガンマ2.2なのか?

世界で最も普及しているWindowsがガンマ2.2のモニタ用に作られていたからです。Macはガンマ1.8だと思われている方も多いですが、それは昔の話で現在はガンマ2.2で統一されています。

世の中にある多くのディスプレイがガンマ2.2の特性をもっているため3dsMAXのガンマ補正はデフォルトでガンマ2.2をリニアに戻すための逆補正が掛かるようになっています。

なぜリニアにするのか?

テクスチャはガンマ2.2の画像ですが、レンダリングはリニアで計算されています。3Dソフトのガンマ補正が無効だと、テクスチャはガンマ2.2で、マテリアルの色設定やライトなどがリニアという、ガンマ値が異なるリソースが混在する状態ができてしまいます。

矛盾の無い正しいレンダリングをするためには一度全てのテクスチャ画像をリニアに逆補正してから3dsMAXに読み込み、リニアでレンダリング計算をし、モニタに表示する時はガンマ2.2、画像として保存する時もガンマ2.2…というワークフローが必要となります。これがリニアワークフローの目的です。

3dsMAXでリニアワークフローを構築する方法

3dsMAXの設定手順

  1. メニューバー > カスタマイズ >ガンマとLUTを開き【ガンマ/LUT補正を使用】を有効にする
これは3dsMAX単体でのリニアワーク設定です。Vrayなどのレンダラーを使用している方は注意が必要です。次回、3dsMAX+V-Ray環境でのガンマ補正について説明します。
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たったこれだけで3dsMAX作業部分はリニアワークになります。この設定を有効にすると、画像の読込、保存、マテリアル、ビュー、レンダリングフレームバッファ、それぞれに適切なガンマ補正・逆補正が自動的に掛かります。色々なものが明るく変わりますが、それが本来の正しい色です。設定前が暗かったのは、リニアの情報をそのままモニタへ出力していた為です。